当社の位相差板は、主に高分子フィルムを延伸することで複屈折性を持たせたフィルムです。この延伸により、フィルムの延伸方向（光軸）とそれに直交する方向で屈折率が異なる特性が生じます。その結果、光がフィルムを通過する際に、二つの進行方向に分かれ、それぞれの進行速度にズレが生じます。この光の速度のズレを「位相差（レタデーション）」と呼びます。

特定の偏光状態の光を選択的に透過させることで、光の偏光を効果的に制御する重要な役割を果たします。これにより、自然光や他の光源からの光を特定の偏光状態に整えることが可能になります。偏光板は、光が進行する方向に対して特定の偏光軸を持ち、その軸に平行な成分のみを透過させ、他の成分を吸収または反射します。

上記の図のように偏光板と位相差板を組み合わせることにより、出射光の偏光状態を変更することが可能です。
例えば、λ/2波長板を使用すると光の偏光方向を90度回転させることができます。またλ/4波長板を利用すると直線偏光を円偏光や楕円偏光に変換することが可能です。
これらの技術は、液晶ディスプレイ（LCD）技術における視野角の拡大、プロジェクターなどのディスプレイ技術における画質向上および視認性の改善に大きく貢献します。さらに、可変フィルターや有機発光ダイオード（OLED）の内部反射防止、色ムラ検出においても、微細な干渉パターンを識別することで高精度な色ムラ検出が可能となり、これによりディスプレイ技術全般の品質と性能が向上します。

OE技研では、光学部品をミクロン単位で精密に貼り合わせる技術を駆使しています。高精度の位置合わせと光学透明接着剤（OCA）の使用により、光学製品の透明性や性能を最大限に引き出すことができます。また光の偏光技術をベースに高温や湿度の変動にも耐えうる材料を選定し、厳しい要求にも柔軟に対応しています。

製造工程では、予算や数量に応じて自動化と手動の貼合プロセスで管理しています。自動化プロセスでは、高効率で一貫性のある貼合技術を実現し、手動プロセスでは高度な技術力と柔軟性を活かし、コスト効率の最適化を図ります。主に小サイズの製品において強みを発揮し、精密な位置合わせと気泡除去（脱泡）技術により、光学性能が向上する製品を供給しています。

高精度な測定器を活用し、貼合プロセス全体の品質管理を徹底しています。各製造段階で使用する測定検査、ミクロン単位での精密な検査を行い、製品の品質と一貫性を保証します。この品質管理システムはISO基準に準拠しており、優れた光学性能と信頼性を保証するための不可欠なプロセスです。

積層技術においては、各種材料の特性を深く理解し、適切な加工方法を選択することが極めて重要です。特に層数の増加や厚み管理、ピッチ制約など、管理が難しい要素を適切にコントロールすることで、各工程を通じて高度な光学特性と品質を実現します。これらのプロセスを効果的に管理し、連携させることで、高品質なガラス積層製品の製造が可能になります。

偏光技術と貼合技術を駆使し、光学フィルムやガラスを効果的に組み合わせることで、各層の光学特性を最適化し、全体の性能を向上させます。このプロセスにより、各層が均一に配置されるため、光の透過率や反射率が効果的に向上し、優れた光学的性能を発揮します。

積層技術では、量産体制と小ロット生産の両方に対応できる柔軟な生産プロセスを実現しています。自動化技術を駆使し、効率的な生産ラインを構築することで、大量生産時には高品質を維持しつつ、生産コストを抑えた製品供給が可能です。一方で、小ロット生産にも柔軟に対応できる体制を備えており、特注品や試作においても迅速な対応を行います。

材料選定とその特性の理解は、光学部品製造の基盤となります。主な材料には、樹脂、ガラス、鉱物などがあり、それぞれに屈折率、透過率、耐久性などの異なる特性があります。
当社では多様な材料に関する経験があり、要求に応じた光学部品の供給に努めています。

当社は、多様な分野での深い知識を活かし、特定の材質に適した加工技術を駆使しています。単一技術に留まらず、複数の技術を組み合わせることで、製品の性能を最大限に引き出すことに尽力しています。この総合的なアプローチにより、従来の方法では不可能だった様々分野の顧客ニーズにも応えることができます。

お客様の具体的なニーズに応えるため、国内外のパートナー企業との連携を行っています。各製造段階でコスト効率を追求し経済的な解決策を実現する一方、全業務プロセスにおいて秘密保持を徹底しています。この協力体制と情報保護の徹底により、安全かつ信頼性の高い光学製品を供給しています。